【FA】丸佳浩移籍の裏側

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丸移籍の一番の理由は…

広島の丸佳浩選手が巨人にFAで移籍して1年が経つ。
移籍1年目は打率.292、27本塁打、89打点の好成績だったが、本人は「中途半端な成績」と納得していなかった。

しかし、チームのリーグ優勝に貢献したのは間違いない。
同時に広島のBクラス転落は、各メディアで「丸ロス」が原因として取り上げられた。

そんなチームに必要不可欠だった男のFA移籍の決断の理由は何だったのか。
お金か、チームか、はたまた別の何かだったのか…関係者の話をもとにたどっていきたい。

移籍報道後の炎上からオープン戦へ

移籍報道直後、SNSでは丸選手に対しての心無い批判の投稿が飛び交った。
そこまですることなのか?とその酷さに言葉を失った。

これでは、開幕時にひどいヤジが飛び交うのでは…と心配になったのを覚えている。



SNS、フリマアプリで大炎上

「裏切り者」「結局金か」…。
SNS上では、そんな投稿があふれていた。
赤色の背番号9のユニフォームは「赤い雑巾」とまで言われ、フリマアプリに大量出店されたり本物のボロ雑巾のように捨てられた。

長年、広島を応援し続けてきたファンや丸選手のことを好きだった人たちの気持ちも理解できなくはない。
しかし、FAは個人の権利。個人の選択の自由であって、規約違反や法を犯したわけではない。正式なルールにのもと、丸選手自身が最良の選択をしたにすぎないのだ。

それに「金の亡者」などと言う人は、自分自身に置き換えて考えてほしい。

妻子を持ち、今よりも給料も環境もいい会社からオファーが来たらどうだろうか?
自分の提示した条件も全て受け入れてくれたとして、それを断る道理があるだろうか?
「それは球団への愛が…」という人もいると思うが、それだけで生きていけるほど甘い世界だろうか?

丸選手に広島愛が全くなかったのかと言えばそんなことはないし、その「球団愛」を否定するわけでもない。何なら「球団愛」には大賛成だ。
ただ、それ以外のことも考えないといけないという現状がそこにはあるのだ。
プロ野球選手も一つの職業だ。しかも、いつ自分がプレーできなくなって職を失うかわからないという大きなリスクを背負って、子どもたちに夢を与えるため奔走している。

「ファンの気持ちも考えて!」という投稿も見かけたが、ではあなたたちファンは、そんなファンたちからの大批判にあった「丸選手の気持ち」を考えたのだろうか。

選手はプレーで夢を、ファンは応援で力を、そういう関係ではないだろうか。
応援しているから、選手のためにお金を払っているからと言って選手の選択の権利を批判したり、ましてや「選手の心」を傷付けていいものではないのである。

 

迎えたオープン戦でのブーイングは…

2019年3月5日、広島-巨人のオープン戦。
グラウンドには丸選手の姿があった。

それを見たファンは声を張り上げる。
やはり恐れていた事態が起こってしまったか…そう思った次の瞬間だった。

「おかえり、丸!」

耳を疑った。
聞こえてきたのはブーイングではなく、丸選手に対する暖かい声援だった。
「頑張れ~!!」という言葉だけではなく、拍手まで聞こえるではないか。

もちろん100%の観客が声援を送っていたわけではない。
だが、ほぼ全員が声援と拍手を丸選手に送っていたのだった。
FAの人的保証で長野選手を獲得できたので、ファンも少し落ち着いたのかもしれない。そうだとしても、この暖かな光景に感動し涙してしまった。

丸選手自身、試合後の取材で「ブーイングを覚悟していたが予想外だった」と語っている。
「本当に感謝」という言葉の通り、グラウンドではファンに頭を下げているシーンがあった。

過去の新井選手が阪神へ移籍した時の惨劇を心配したが、それもいい意味で杞憂に終わった。



移籍交渉で何があったのか

移籍報道後のいざこざは、時間と共に収束していった。
ただ、未だぬぐえないのが「多額の契約金」が丸選手の移籍の決定打になったという説だ。

果たして丸選手は本当にお金だけで巨人移籍を決めたのだろうか。

 

巨額の契約金が決定打か

広島4年17億、ロッテ4年20億、巨人5年30億。
この球団ごとの提示額を見て、お金で球団を選んだのではないと否定するのは確かに少し難しい。

単純に巨人が一番お金を出してくれているし、プロスポーツ選手の評価=契約金という公式があるために契約金が高ければそれだけ評価してくれているという考えにもなりやすい。

ただ、それは球団の経済力を除外した場合の話であって、上記3球団は球団の経営上最大限の額を提示したといえるだろう。各球団のその誠意は、丸選手自身が一番理解しているはずだ。
実はプロ野球選手には、この誠意を重んじるケースが多々あり、契約金の額が納得いかないというよりは、貢献した自分に対する誠意が感じられないということで交渉が決裂してしまうという表現の方が正しいかもしれない。

それを考えると、丸選手は契約金だけで決めたのではないことが少しずつ見えてくるが、果たして何が原因だったのだろうか。

 

地元・千葉への里帰り?

これはFA権を取得した時から言われていた話で、多くの人がその可能性を示唆している。

しかし、地元が千葉ということが一番の理由ならロッテからのオファーを受諾していただろう。
巨人も同じ関東圏ということでオファーを受ける余地があったにしても、里帰りが目的ならロッテを選択していた可能性が高い。

ということで、里帰りというのは丸選手の中でそんなに大きくなかったことが考えられる。

 

一番は契約年数

上記で契約金のことに触れた際に、同時に契約年数も書いたがここに注目していただきたい。

広島・ロッテが4年、巨人が5年。
先に述べると、これが丸選手の一番の移籍理由だったのだ。

ある球団関係者は、「佳浩さんは5年契約の要望をしたが、フロントは4年契約の姿勢を崩さなかった」と言っている。

「なんで球団は1年くらいOKしなかったの?」と思われるかもしれないが、この契約年数はかなり重い問題なのだ。

プロ野球選手の一番脂が乗っている時期と言えば20代後半から32.3歳と言われている。
契約当初、丸選手は29歳。4年契約終了時に33歳、5年契約終了時には34歳だ。30歳半ばを迎えてバリバリレギュラーで活躍したという選手は、過去の事例を見てもあまり多くない。

そして、プロにとって一番怖い「怪我」のリスクが高まるということ。
あのイチロー選手も、最も評価されていたのは打撃技術より「怪我をしないこと」ではないかとされているくらい、怪我をするかしないかということは重要な問題だ。

ベテランのソフトバンク・内川選手も30前半の間はレギュラーでバリバリプレーしていたが、30歳半ばを迎え怪我が増え、出場機会が減っている。
2019年こそほぼ1年通して試合に出続けたが、本来の打撃成績は残せていない。

この「1年の是非」が決定打となり、丸選手は自分の提示した条件を受け入れてくれた巨人に移籍することを決めたのだが、個人的には1年の契約延長で話を進め残留してもらった方が良かったのではないかと思う。



まとめ

移籍報道は毎年のように話題になり、今年もソフトバンク・福田選手のロッテ入りなど話題に上がった。

やはり色々な意見が飛び交っていたが、選手批判だけはしてほしくない。
ファンが一生懸命応援するように、選手も必死なのだから。

移籍2年目を迎える丸選手だが、契約更改で語った悔しさを晴らしてもらいたい。
また、プレミア12に引き続き東京五輪でも代表に選ばれ、日本を優勝に導く活躍を見せていただきたい。

どんなユニフォームを着ていても、「丸佳浩」という選手には変わりはない。
これからも走攻守そろったMVP男として応援していきたい。

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